墓じまいしないと後悔する理由

墓じまい

墓守としての責務を果たせず後悔したまま旅立つことになる

墓じまいをしないで一番後悔するのはこれでしょう。

墓守として一族から祭祀承継者さいししょうけいしゃに任命されたにも関わらず、最後は放置して「無縁墓むえんぼ」にしたまま自身が弱ってしまう・・・あの世で何を言われるか解らないという申し訳ない気持ちで最期を迎えてしまう辛さ・・・。

人間と言うのは責務を全うしたいという念がとても強い生き物です。ましてや「墓守はかもり」というのはご先祖様から任される責務の中でも最も重要なものですから、それを全うできなかったま病床に着くなど毎日後悔でうなされてしまうかもしれませんので何とか避けたいものです。

墓石はそのまま残しておいても誰かが処分してくれるかもしれませんが、中に入ってる遺骨は簡単には処分できませんので大抵の場合は半永久的にそのまま放置されます。

子供や孫に莫大な経済的負担をかけてしまう

最近、最も増えているのはこのパターンです。

昭和世代の祖父母達が、平成や令和時代の子孫達の経済状況を案じて、祖父母達の負担で墓じまいが行われています。

かつては高度成長期やバブル時代などを経てお墓を買ったり維持したりすることにそれほど経済的負担を感じませんでしたが、お墓の管理には法事や管理費など様々な費用がかかります。

特に檀家さんになっていたりするとお墓の直接的な負担だけではなく、寺院の改修工事費や、時には住職の跡取りが結婚して家を建てるから協力してくれなど、現代では到底理不尽で支払いたくなくなるようなお願いが来たりすることもあります。

祖父母達はそういった経験をたくさんしているので子孫に背負わせないよう墓じまいをしているようです。

お世話になったお寺に迷惑をかけてしまう

意外かもしれませんが、墓じまいをしないとお寺や霊園に迷惑をかけてしまうことがあります。なぜかと言うと、承継者が不在となったお墓は無縁墓となり、基本的には放置されてしまうからです。

放置されたお墓を更地に戻すには官報で告知したり、墓石の撤去費用を負担するなど、莫大な時間と費用を要し、その負担はお寺や霊園管理者が負わないといけなくなります。

そのため最近では「墓じまいをしたい」と言うと昔ほど抵抗されることもなく、むしろ負担が減るので協力的なお寺や霊園が増えています。

お寺的には檀家さんが減ってしまうことは経済的損失ですが、継承者が途絶えてしまうものはどうしようもないと考えておりますので、それであればむしろ管理者と連絡がつくうちにきちんと墓じまいしていただこうというスタンスになってきているものと思われます。

お寺や霊園から半永久的に督促状が届く

墓守(祭祀承継者)と連絡が取れなくなったり、墓地管理料の支払が滞りはじめると、お寺や霊園から「管理費を支払ってください」という督促状が毎年のように届くようになります。これは最低念1回請求していれば請求権が有効になるため、返事があるがなかろうが発送します。

墓守としてあなたの住所が登録されている場合、祭祀承継者を変更しない限り半永久的にこの督促状は送られてくるでしょう。そして毎回「申し訳ない気持ち」になると思います。

あなたが亡くなり、子孫が督促状を見つけて連絡すると「今までの未払い分を全て支払ってください」と言われると思います。あなたが支払を拒否し続けてきた経済的負担はまるまる子孫にふりかかってゆくのです。

何を隠そう筆者もこれを経験しました。管理事務所に連絡し、父が未払いだった金額30万円を支払い、その後墓じまいの許可が出ました。

墓じまいをしないと辿る遺骨の悲惨な末路

永代供養えいたいくようなど聞こえの良い言葉で呼ばれていますが、その実態は想像を超える悲惨な状態なものが多いので正直に書かせていただきます。

永代供養行きとなった遺骨はお経を唱えられた後、合祀墓ごうしぼ(合葬墓がっそうぼ)に送られ、半永久的にそこで埋蔵されることになります。

合祀墓にも様々な様式があり、骨壺のまま棚に並べられてゆく所もありますが、多くの場合は骨壺から遺骨だけを取り出して大きな穴などにガラガラと収蔵されてゆきます。骨壺の中には遺骨以外にも棺の釘やネジ等様々な物が入ってますが、取り除くことはほとんどありません。

想像しにくいまもしれませんが、その様子は他人の遺骨もごちゃ混ぜで、なんとなく大量虐殺現場みたいな感じで私は好きではありません。原型を留めた目の周りの遺骨がギロリとこちらを見ているようで思わず目を伏せてしまいまったくらいです。

正直思ったのは「こんな所に入れたら自分だったら嫌だな」でした。

なので私自身も合祀墓には入りたくありませんし、大好きだった両親の遺骨等を入れたいとも思いませんでしたので、合祀はやめて代理散骨にしました。

合祀墓は悲惨だ・・・という事実をよく知ってる所はこれを隠すように合祀したらまず10年くらいは棚置きで保管して、祭祀承継者が本当に来なくなったら骨壺から出してガラガラやってます。

古いお寺や霊園等は敷地内の見えない場所に大きな穴を掘って埋めてますので、何百年か経ったら「こ、ここで大量虐殺でもあったのか?」と歴史家を唸らせてしまうかもしれません。

墓じまいして後悔しない為にまとめ

ということで私の知り得た事実と経験をふまえて正直な気持ちで「墓じまいしないと後悔する理由」を書かせていただきましたがいかがでしたでしょうか?

世の中、まだまだ宗教的な力が強くて「墓じまいしたら後悔する理由」の方が圧倒的に多いですが、時代の流れ的に墓じまいする方の方が急増してますし、その理由も明確です。

ただし、お墓って「遺族の心のよりどころ」であったり「親族が集まるきっかけ」になっていたりするので、あった方が良い人も居ると思います。特に普段会えない親族が居る方がなどは法事がほんとによいきっかけになりますよね。

あとは先祖が高いお金出して建てたお墓ですからプライドというか意地みたいなものもありますので、経済的に可能なら維持してあげるも供養のひとつなのかもしれません。私も祖父が建てた田舎にある立派なお墓はそういう理由で墓じまいせずに残してあります。

この記事が、墓じまいを考えてる方の参考になれば幸いです。

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