墓じまいは石材店が中心となって行われますが、何も知らずに丸投げしてると「言い値」で高くつきます。墓じまいを安く済ますためには全体の流れを4つに分け、それぞれが最安値で済むように「予備知識」を持っておくと「あれ?」と思った時に自信を持って交渉することができますので安心です。だいぶ簡潔にまとめましたのでしっかり読んで役立ててください。
POINT-1 「離団と閉眼供養」
まずはじめに、公営霊園はお寺との交渉などはありません。墓じまいの際に、お坊さんを呼んで閉眼供養をするかどうかは任意になりますので、呼ばない方もいらっしゃいます。ただし、石材店は仏教を重んじているので閉眼供養をやらないと墓じまいには応じないというところも多いです。
一般寺院の場合や、菩提寺の檀家さんになってる場合は、墓じまいの事前にお寺に報告・相談する必要があります。最近は墓じまいを希望される方が多いので、意外にすんなり応じてくれる方が多いですが、中には厳しく説教をされてしまうこともあります。
よく週刊誌やネットニュースなどで「高額な離檀料を請求された!」という話題がありますが、稀な事件ではありますが事実ではあります。実際にお客様から報告を受けた事もありますし、まさにその場に居合わせたこともあります。弁護士さんがお客様とお寺の間に入って遺骨の引き渡しをした事もありました。

結論から先に申し上げますと、10万円以下で済むならスパッと支払ってしまった方が話は早いです。それ以上高額になり、交渉が長引きそうであれば弁護士に相談しましょう。
離檀料を支払う義務はありませんが…
離檀料の本来の性質は、これまでお世話になったことへの感謝を表す「お布施」であり、法律上は「契約」ではないので支払い義務がありません。支払うか支払わないかは自由意志に委ねられています。
ですが現実問題として「支払わないのであればお骨は渡さない」と言われることもあり、実質的に支払わないと遺骨の引取ができない仕組みになっているところも多いのです。
筆者が思うに、自分が檀家になったわけではないにせよ、ご先祖様がお世話になった訳ですから頑なに拒絶することなく、事を荒立てない程度にお布施を支払って離檀すれば良いのにな…とは思います。

それでも解決しない場合は
金額については「お布施」ですから本当にいくらでも良いと思います。1万円でもいいし3万円でも良いと思います。ただ、何百万もよこせと言っていたお寺にその金額だったら多分激怒されますよね?でも無い袖は振れませんからどうしたら良いのでしょう?
そういう時は迷わず弁護士さんに相談すれば良いと思います。お寺との離檀交渉をできるのは弁護士さんだけです。「弁護士に頼むと高そうだ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、何百万円も支払わないといけなかったものが数万円で済むなら安いものです。10万円をお寺に支払うか、弁護士に支払うかの違いです。何より遺骨が無事に返還されることが重要ですよね。
POINT-2 石材店選び
大手からネットで頼める石材店などいろいろありますが、まずは必ず複数の業者から見積もりを取る「相見積もり」を行いましょう。業者によって基本料金や基本プランに含まれる作業範囲が異なるため、比較することで数万円から十万円以上の節約につながるケースが珍しくありません。
ただし、安さだけで選ぶのは禁物です。特にネット広告で「安さ」を前面に打ち出している石材店は「追加料金の有無」を必ず事前に確認してください。例えば、お墓が山奥や狭い場所にあり重機が入れない場合、後から高額な手作業費を請求されるトラブルが多発しています。見積書に「一式」としか書かれていない業者は避け、内訳が明記されている誠実な業者を選びましょう。
また、石材店を選ぶ注意点として、お墓が「公営霊園」か「寺院墓地」かによって選択肢が変わります。寺院墓地の場合、お寺が指定した「指定石材店」しか利用できないケースが多く、指定外の格安業者を選ぶとトラブルになります。まずは霊園の管理規則を確認し、公営などの自由な霊園であれば、相見積もりを駆使して実績豊富でクリアな料金体系の石材店を選びましょう。


墓じまいをする墓地に近い石材店は「移動費」や「運搬費」といった経費が最小限で済むので安く済む事が多いですよ。あと、見積もりは口頭ではなく、必ず書面やメールで貰いましょう。
POINT-3 遺骨をどうするか
墓じまい後に取り出した遺骨の「次の行き先(改葬先)」は、全体の費用を大きく左右する最も重要なポイントです。
樹木葬や納骨堂
新しく永代供養付きの樹木葬地や納骨堂を購入するのも良いとは思うのですが、最低でも数十万〜数百万円のまとまった費用が再びかかってしまいます。また、販売形態を見ると樹木葬とは言っても墓石のないお墓と同じです。せっかく墓じまいするのにまたお墓を買ってどうするの?という印象もあります。
自治体の合祀墓
「安さ」で考えた時、最も人気なのは自治体が運営する合祀墓です。自治体によって料金はバラバラですが、安いところで4万円、高くても15万円以下で納骨できると思います。
ただし、申込時の条件に「その墓地がある同エリアの居住歴が数年必要」といったしばりがあったり、抽選があって当選まで時間がかかるといった問題もあります。ただ、公営の合祀墓は民間業者のように破綻する心配がない事や、立派な設備と管理体制といった自治体ならではの安心感は段違いです。
海洋散骨
「もっと安く、手早く済ませたい」という方におすすめなのは海洋散骨です。2021年3月に厚生労働省が「散骨事業者向けのガイドライン」を公表してから堂々と散骨することができるようになり、墓じまい遺骨の最終先としてジワジワ人気が出ています。
その中でもとりわけ人気なのは代行散骨です。これは、業者に遺骨を預けて自分の代わりに海などへ散骨してもらう方法です。遺族が船をチャーターして立ち会う散骨に比べて大幅に費用を抑えられ、相場は1柱あたり5万円前後ですが、専門業者に委託すると3万円前後で散骨可能です。墓じまいの総額を圧倒的に安く抑えることができます。
ただし、遺骨をすべて自然に還してしまうため、後から「やっぱりお参りする場所が欲しかった」と後悔する親族が出ることもあります。費用を抑えつつ寂しさを解消するために、遺骨の一部だけを小さなミニ骨壷やペンダントに分けて手元に残す「手元供養」を組み合わせるのがおすすめです。親族全員が納得できるよう、事前にしっかりと話し合ってから進めましょう。

POINT-4 補助金を活用する
墓じまいの出費を少しでも減らしたいなら、お墓がある自治体の「補助金(助成金)制度」がないか必ず確認しましょう。
少子高齢化や管理者のいないお墓の増加を受け、一部の自治体ではお墓の解体・撤去費用を一部負担してくれる「改葬支援補助金」などの制度を設けています。支給額は自治体によって異なりますが、数万円から、多いところでは20万円ほど支給されるケースもあり、大きな節約になります。
ただし、活用にあたってはいくつか注意が必要です。まず、この補助金制度はすべての自治体で実施されているわけではありません。また、「その自治体に住んでいること」「公営霊園ではなく一般の墓地であること」など、対象となる条件も細かく定められています。
最も重要なのは、申請のタイミングです。多くの自治体では、石材店と契約して「着工する前」に申請手続きを行う必要があります。すでに工事が終わってからでは申請を受け付けてもらえないことがほとんどです。墓じまいを具体的に考え始めたら、まずは「お墓が建っている場所」の役所のホームページを調べるか、窓口に制度の有無を問い合わせてみましょう。
墓じまいの補助金(助成金)や、返還時に費用負担が軽減される制度を設けている主な自治体の一覧です。
注意点として、「国(政府)が一律で支給する補助金」は存在しません。 また、自治体の補助金は、原則としてその自治体が管理する「公営墓地・霊園」の利用者を対象としており、民間霊園や寺院墓地は対象外となるケースがほとんどです。
【2026年最新】墓じまいの支援制度がある主な自治体一覧
| 自治体(お墓の所在地) | 制度・事業名 | 支援・給付内容の例 |
| 東京都 (多磨・小平・八柱など) | 都立霊園施設変更制度 | 一般墓地を返還して合葬埋蔵施設へ移動する場合、墓石の撤去費用が免除(または新たな使用料が無料化)される。 |
| 千葉県 市川市 | 市川市霊園一般墓地返還促進事業 | 墓石撤去費用の助成(上限あり)や合葬式墓地への特例許可。※2026年5月時点で当制度は予算上限に達し受付終了、再開は要確認。 |
| 千葉県 浦安市 | 墓所返還者等支援事業 | 浦安市墓地公園の利用者が対象。墓石撤去費用の助成(上限15万円など)や合葬式墓地への改葬支援。 |
| 群馬県 太田市 | 八王子山公園墓地墓石撤去費用助成金 | 八王子山公園墓地の返還に伴う、墓石の解体・撤去工事費の一部助成。 |
| 茨城県 水戸市 | 水戸市公園墓地返還協力金制度 | 当分使用する見込みのない区画の返還を促進するための協力金支給。 |
| 静岡県 磐田市 | 市営霊園支援制度 | 市営墓地の返還や解体撤去に付随する費用の助成。 |
| 大阪府 岸和田市 | 岸和田市墓苑支援 | 囲障(外柵)のみの撤去免除制度などによる負担軽減。 |
| 大阪府 泉大津市 | 公園墓地還付金制度 | 市営・組合墓地の返還時に、使用状況に応じた一定比率の還付金支給。 |
| 大阪府 泉佐野市 | 泉佐野市公園墓地制度 | 墓地返還時の還付金制度など。 |
| 岡山県 玉野市 | 玉野市霊園既納使用料還付制度 | 霊園返還時に、すでに納められた使用料の一部を還付。 |



コメント