閉眼供養とお布施の相場

岡山のお墓で閉眼供養 墓じまい

墓じまいに伴い避けては通れない「閉眼供養へいげんくよう(魂抜き)」。お寺への感謝を伝える大切な儀式ですが、「お布施はいくら包めば失礼にならない?」「お気持ちと言われても困る」と悩む方も多いのではないでしょうか。
この記事では、閉眼供養のお布施の最新相場をはじめ、御車代などの追加費用、お布施袋の正しい書き方や渡し方のマナーまで徹底解説します。直前で慌てないための知識を、一緒に確認していきましょう。

閉眼供養イメージ

閉眼供養の読み方

一般的には「へいげんくようまたは「へいがんくよう」と読みます。どちらを使っても間違いではありません

仏教の専門的な(呉音に則った)読み方としては「へいげんくよう」が本来の形とされていますが、現代では一般に馴染みのある音読みで「へいがんくよう」と読まれることも非常に多く、どちらも広く通じます。

ちなみに、宗派や地域によっては「魂抜きたましいぬき」や「お性根抜きおしょうねぬき」、浄土真宗では「遷仏法要せんぶつほうよう」と呼ばれることもあります。

閉眼供養とは何か?

閉眼供養とは、墓じまいをする際に行う法要です。宗派によって概念が異なることもありますが、基本的に以下の2つの目的から慣習として行われていますが、一言でいうと、その役割はお墓を「ただの石」に戻すことにあります。お経の長さは宗派によって異なりますが、平均すると15分程度です。

目的1. 宿っている魂を一度抜く

お墓を最初に建てたときには、「開眼供養かいげんくよう(魂入れ)」という法要を行い、ただの石に仏様の魂やご先祖様の霊を宿らせて「礼拝の対象」に変えています。 閉眼供養は、その逆のプロセスです。お墓を解体・撤去する前に、お坊さんにお経をあげてもらうことで、宿っている魂を一度優しく抜き、あの世へ戻っていただきます。

目的2. 石材店が作業できるようにする

仏教の世界では、魂が宿ったままのお墓を壊したり、傷つけたりすることはタブーとされています。閉眼供養によって魂が抜けることで、お墓は宗教的な意味を持たない「ただの石」に変わります。これによって、石材店が安心して解体や撤去の工事を行えるようになります。

優良な石材店

宗派によって異なる「魂」と墓石の考え方

天台宗・真言宗・臨済宗・曹洞宗・日蓮宗などは、お墓を建てた際に行う「開眼供養(魂入れ)」によって、墓石にご先祖様の霊や仏様の魂が宿ると考えます。墓石はご先祖様がそこに「いらっしゃる」神聖な場所であるため、墓じまいの際は「魂抜き(閉眼供養)」をしてお墓をただの石に戻す儀式が不可欠と考えています。

浄土真宗(本願寺派・大谷派など)は、「霊魂(魂)」という概念自体がなく、 人は亡くなるとすぐに阿弥陀如来によって極楽浄土へ連れていかれて仏になる。と考えるため、お墓に魂が留まることはないというスタンスです。ただし、墓石は阿弥陀如来への感謝を表し、ご先祖様を縁として自分が仏教の教えに触れるための場所と考えます。魂がないため「魂抜き」とは呼びませんが、代わりに「遷座法要せんざほうよう」や「お移朋おいほう」と呼び、本尊を動かすための法要を行います

お墓の閉眼供養するならいつが良い?季節と本音

墓じまいの閉眼供養を執り行う時期に、仏教上の厳密な決まりはありません。しかし、親族が集まりやすい「お盆・お彼岸・年末年始」は、お寺の繁忙期と重なるため避けるのが本音です。僧侶のスケジュール調整が難しく、墓地も混雑するため、落ち着いて供養を営むのが難しくなります。

実務的なベストシーズンは、気候が安定した「春」や「秋」です。閉眼供養は屋外で15分〜30分ほど立ち会うケースが多く、高温は僧侶や高齢の参列者にとっても大きな負担となりますので、気温が30℃を超える夏は避けます。どうしても真夏に実施しなければならない時や、住職が高齢で炎天下での法要が難しいときなどは、遺族の参列抜きで早朝に行ったり、屋内で行う時もあります。

また、雪深い地域では冬場の石材工事ができないため、雪解けを待つ必要があります。周囲への配慮とスムーズな工事を考慮するなら、穏やかな気候の平日に予定を組むのが賢明です。

炎天下、氷点下、土砂降り、この3つは閉眼供養の時は避けたいものです。意外ですが1月~2月の墓じまいはお寺も法要が少ないので日程調整がしやすいです。降雪地でなければ安くてお勧めです。

閉眼供養のお布施の相場はいくら?(基本の金額目安)

お布施は「お気持ち」ですから定価はありませんが、その定価の無さが多くの人々を悩ませている現況でもあります。そこで、数々の墓じまいの現場と祭祀承継者、僧侶への聞き取り調査などからリアルな数字を出してみました。

付き合いの深さお布施の目安備考
先祖代々、何十年も深くお世話になったお寺10万円酷暑日は+5万円
一般的なお付き合いのあるお寺5万円(相場)酷暑日は+5万円
何年も疎法要していなかったお寺15万円酷暑日は+5万円
ネットの僧侶手配サービス3万円変動なし

なぜ「酷暑日価格」を設けたかと言うと、多くの僧侶の方が「夏はきつい」と口々におっしゃっており、依頼する方も申し訳なく思ってる事がおおいのでこの備考を加えました。お互いの「申し訳なさ」を補うのが「酷暑日価格」という考え方に至りました。

ただ中には「お布施は要らない」と言うお寺もありますし、いくらもらっても夏は「できればやりたくない」というお坊さんもいますので、真夏の法要はマナーとして避けた方が良いと思います。

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墓じまい遺骨は「散骨」することもできます

お布施以外に必要なお金は?(御車代・御膳料の相場)

閉眼供養の当日に、お布施とは別にかかる追加費用というものがあります。昔は「お布施+御車代+御膳料」の3つが1セットになっておりましたが、今は会食そのものをやらないケースも多いので、お布施と御車代だけの事が多いです。

御車代 … 公営霊園や自宅など、お寺以外の場所に出張供養に来てもらう場合の交通費です。昔はタクシーで来るお坊さんが多かったのですが、最近は自家用車でいらっしゃるお坊さんが多く、この場合であっても御車代を渡す必要があります。金額の相場は、同一市内や隣接市など近い場合は5千円、それ以外の遠くから来てもらう場合は1万円です。ガソリン代で足が出ないように計算し、飛行機や宿泊を伴う場合は実費を用意します。

御膳料 … 昔は法要の後で参列した親族と会食を行うのが慣習でした。ただ、法要の多い時期は、お坊さんは次から次へと移動することも多く、その度に会食に参加するわけにもいきませんので会食を辞退することもありました。そんな時は「御膳料」としてお渡しししてました。「おもてなしもできずにすみません、どうぞこのお金で美味しい食事を召し上がってください」という意味で渡したのだと思います。ですので本来であれば、会食の場を設けない場合であればなおさら用意しなくてはならないのですが、最近は御車代と一緒になってるケースが多いようです。金額は1回の御膳代ですので5千円くらいです。

御車代や御膳料の封筒は白無地の封筒で構いません。 それぞれ表面の真ん中に「御車代」「御膳料」と書き、下に氏名(または名字のみ)を書き添えてお渡しします。

バイクで来た僧侶
スクーターで来る僧侶もいますので驚かないように

聞いても失礼じゃない?お寺への正しい「お布施の金額」の確認方法

結論から言うと、お寺に「お布施はいくら包めば良いでしょうか?」と尋ねる行為はご法度ではありませんが、マナー違反(失礼)です。お布施は「お礼の一種」ですから現代風に言うと「サービスに対しての対価」ですし、提供前のサービスに値付けをしてしまうというのは僧侶でなくとも心苦しいわけです。中には「〇〇万円で」と言う僧侶もいるかもしれませんが稀です。ここは日本人の心得として「察する」か、過去の事例から学んでおいてサクッとスマートに包んで渡しましょう。

閉眼供養のお布施袋(封筒)の書き方・お札の入れ方マナー

閉眼供養のお布施を入れる封筒は、「奉書紙ほうしょし」または「白無地の封筒」を使うのが一般的です。お葬式ではないため、黒白の香典袋(御霊前など)は使わず、水引も不要です。

奉書紙というのは、上質な和紙の事で、お札を白い半紙で包み、それをこの「奉書紙」で包む方法が最も格式が高いとされています。厳格なお寺での法要にはこちらを使用しましょう。

表書きは「濃い黒」で書きます。お葬式ではないため、薄墨を使う必要はありません。中央のやや上寄りに「御布施」(または「お布施」)と書き、その下に、依頼者の氏名を書きます。

裏書は左下に、施主の住所と電話番号、そして金額を書き、金額は漢数字で書くのが正式なマナーです。(例:3万円なら「金 参萬圓」、5万円なら「金 伍萬圓」)

当日の大まかなスケジュールと所要時間

閉眼供養そのものの所要時間は、およそ10分〜15分程度ですが、総合的には1時間半ほどかかります。当日は以下のような流れで進行します。

  1. 現地集合・準備(法要の15〜30分前)
    施主や家族、お呼びした石材店は早めに墓前に集合します。お墓の周りを軽く掃除し、お供え物(お花や線香、お菓子など)を準備してお坊さんの到着を待ちます。
  2. お坊さんの到着・挨拶(法要の10分前)
    お坊さんが到着したら、施主が代表して挨拶をします。(★ここが最初の「お布施を渡すタイミング」)
  3. 閉眼供養の開式(読経・焼香)
    お坊さんによる読経が始まります。途中で案内されたら、施主から順に焼香を行います。
  4. 遺骨の取り出し作業
    読経が終わると、石材店の手によってお墓の納骨室(カロート)からご遺骨を取り出します。
  5. 法話・閉式
    お坊さんから一言法話をいただき、閉式となります。
  6. お坊さんのお見送り・解散
    お坊さんにお礼を伝え、お見送りします。(★法要の前に渡さなかった場合は、ここでお布施をお渡しします)

お布施を渡すタイミングはいつがいい?

お布施(および御車代・御膳料)を差し出すタイミングは、「法要が始まる前(最初の挨拶のとき)」がベストです。法要が終わった後は、お坊さんよりも施主であるあなたの方が、取り出したご遺骨の確認や移動、石材店との最終打ち合わせなどで現場がバタバタしがちです。最初にお渡ししておくことで、渡し忘れを防ぎ、落ち着いて法要に臨むことができます。

「本日はお忙しい中、〇〇家(または先祖代々)の閉眼供養のためにお越しいただき誠にありがとうございます。こちら、本日の御布施(と御車代)でございます。どうぞお納めください。本日はよろしくお願いいたします」

お布施の渡し方

お布施を現金のままポケットや財布から出して手渡しするのは、法要の場では重大なマナー違反です。必ず「奉書紙」か「白無地封筒」に入れて手渡します。

さらに「袱紗ふくさ」や「切手盆きってぼん」を使用して渡すのが、より格式の高い渡し方とされていますが、閉眼供養の場合は屋外で渡すことが多いので切手盆よりも袱紗を使った渡し方の方が風などに飛ばされにくく適していると思われます。

お布施を受け取る僧侶
袱紗はお布施を渡す際の台にもなります

ただ現代ではこの「袱紗」を使うという方も少なくなっており、鞄から直接取り出して手渡しするシーンを多く見かけます。せめてこういった形でお渡しするのであれば、くしゃくしゃにならないように丁寧に持って手渡ししましょう。

ちなみに御車代、御膳代をお布施と一緒に渡しても構いませんが、1つの封筒にまとめているずに、それぞれの封筒になどに分け、上からお布施、御車代、御膳代の順番で重ねて必ず両手を添えて手渡しします。

閉眼供養のときの服装は?(身内だけなら平服でもいい?)

閉眼供養の服装は、身内だけで行う場合であっても「略礼服(ブラックスーツやブラックフォーマル)」を着用するのが基本であり、最も安心です。

「身内だけなら平服(普段着)でもいいのでは?」と思いがちですが、仏教においてお墓をただの石に戻す閉眼供養は、お葬式と同等に格式高い法要とされているためです。

どうしても平服で参列する場合は、法要にふさわしい「ダークカラーのスーツやワンピース」といった地味な準喪服に準じる装いを心がけましょう。また、屋外の墓地は足元が悪いため、靴は黒の歩きやすいものを選び、華美なアクセサリーや露出の多い服は避けるのがマナーです。お寺や他の親族に失礼のないよう、事前に服装の格を合わせておくと安心です。

閉眼供養の様子

まとめ:「お気持ちで」が一番悩ましい

「お布施はいくらくらい包めばよろしいでしょうか?」丁寧な言い方だけど実はマナー違反って、日本ならでは「察する文化」ですよね。どんな僧侶に訪ねてもマニュアルでもあるかのように「お気持ちで」と言われてしまうのは「お経に値段は付けられないんですよ」と言う意味の裏返しとも言われています。

とは言えども支払わないわけにはいきませんから金額を決めてしまいましょう。これらの金額は過去の経験から割り出しましたので失礼のない金額だと思います。大多数のお寺さんは喜んでいただける金額だと思いますし、格式の高い大規模寺院だと少ないかもしれません。「察して」ください。

正直なお話、今はどこのお寺も経済状況は苦しいです。修行とはいえ「生活」してゆかなくてはなりません。墓石建立の手数料が少なくなった今、閉眼供養は大事な収入源にもなってますので、ご先祖様がお世話になった以上しっかり支払い、感謝の気持ちを伝えて終わりとしましょう。

立つ鳥跡を濁さず

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